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3 地球外からの脅威

last update Last Updated: 2025-09-02 19:47:02

物凄い音がしたと同時に、ソラから何かが降りてくる。

ヤバイと思ったのも一瞬、辺りが爆発音と煙に包まれた。

ホコリと、火の匂いが混じり目を開けるのもやっとの状況の中一点を見つめる、祐希が何者かに首を絞められ苦しんでいる。

よく見るとソレは人間のような形をしていて、気味の悪い長い髪に見たことも無い光り輝く羽根が生えているマネキンのような化け物だった。

ナイフのような鋭い爪が光っている。

鋭い牙が見え口が開いたかと思うと

何か喋っているー

食ワセロ

まずいこのままだと祐希が殺される、いや食われる、何か無いかと道端に落ちていた大きい石を投げつける、がコンという音とともに簡単に弾かれる。

逃げろ!カイト!と振り絞った声が聞こえる。

その瞬間、頭から上を覆いかぶさるように食われてしまった。

周囲に血飛沫が上がる。

もはや何が起きているのか分からずその場から逃げ出す、だがすぐに化け物は背後をつく

「なんなんだよお前はっ!」

振り返り、鋭い爪が繰り出される、終わったー

そう思った瞬間だった。

目の前に人影が現れた。

正確には目の前にヘッドホンをした髪の長い華奢な少女?が現れた。

少女は、バリアで攻撃を防いでいるように見える。

「今すぐ逃げて」

「長くは持たない」

そう言われとっさに逃げようとするが、足がすくみ動かない。

運動不足?いや違う恐怖で動けないのだ。

「抱えながら戦う、捕まって」

と言われ渾身の力を振り絞りお腹辺りに捕まる。

捕まった瞬間 違和感があった、人間のような柔らかい感触では無く硬く服の上からでも分かる金属のような質感に驚く。

少女は猛スピードで、相手から距離を取る

振り回され、腕が解けそうになるが必死に耐えた。

バケモノは、羽から生えた銃のようなモノを乱射してくる。

俺はたまらず叫ぶ「なんでもありかよ!」

少女が何か呟いた「兵装解除アーティファクトxxxxxxxxxxx」後半が上手く聞き取れなかった

その瞬間少女は振り返り弾丸を紫に光る剣のようなモノで全て弾き飛ばした。少しでも動いたら死ぬ気がした。

やがて俺を後方に投げ飛ばし、一瞬でバケモノの間合いに入り首を切る、バケモノは止まらず動き出すが胸の中心にある宝石のようなモノを剣で突くと動きは止まり動かなくなった。

俺は戦いが終わった後、しばらく動けなかった

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